第４１４話 １１５カ国目 フィジー 「坂爪さんカップルに出会い・・・。」  宿で坂爪さんカップルと部屋をシェアした。
アラスカ出発 １９９２／４／１〜フィジー１９９８／４ フィジー出国までの走行距離 約１１６１８３ｋｍ 
オセアニア・南太平洋・東アジア走行 １９９８／２／１４〜１９９８／５／１５ 走行距離 約５０７３ｋｍ 
フィジー走行 １９９８／４／１４〜１９９８／４／１８ １９９８／４／２５〜１９９８／４／３０ 走行距離 約９５ｋｍ  |
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４月２５日の夜にフィジーに舞い戻った私は、空港近くの宿に投宿し、出発の日を待つことになった。
フィジー 空港近くの宿に泊まることにした。 飛行機の便の都合で、長く走りたい国にとどまる事ができないのは残念。でもゆっくり体を休めるのもいい。フィジー滞在中は手記を見直し、洗濯をし、スーパーマーケットで買出しなどをして歩いた。 宿ではこれから世界を旅しようとする坂爪さんカップルに出会った。バイク好きで旅好きな坂爪さんと早速情報交換。 「ええ！カメルーンで強盗ですかあ？それにしても６年は長いですね。日本帰ったら浦島太郎ですよ。」 旅の話は尽きなかった。あそこはどうだった、あの国はどうだった、物価が安い高い。あの国はご飯が本当に美味い・・・そのうちに私は、坂爪さんに自分の失恋ストーリーを話し始めてしまった。パキスタンで美人女性に出会い、ひと目惚れしたこと。彼女への思いを断ち切って走り出したら、ネパールでクリスマスの日に偶然再会してしまった事。一緒にポカラでサイクリングした事や、タイで落ち合ってしばらく行動を共にした事。お互いが海外を移動しながらも連絡を取り合ってきたこと。そして、その連絡がニュージーランドを最後にプッツリ切れてしまった事・・・。私は今まで胸に詰まっていた何かを吐き出すかのように坂爪さんに話した。すると坂爪さんは、 「まあ、旅の中では色んな出会いがありますからね。」 そう言ってくれた。胸の内を告白すると、気持ちが少し楽になったような気がした。出会いもあれば別れもある。別れもあればまた誰かと出会う。地に足が着いていない旅行中は、こうした出会いを繰り返すのかもしれない。それはあのＫさんにとってもきっと同じ事だったのだ。彼女にとって私は風のような旅人であり、私にとっても彼女は風のように接すべき人だったのだ。そんな旅の掟をもっと早く知っておくべきだったか・・・。 南太平洋に浮かぶ島国を２週間少々で足早に駆けた私は、いよいよフィジーを脱出し、フィリピンへ向かう事になった。
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