第２８８話 ８６カ国目 トーゴ 「トーゴの小さな自転車屋・・・。」  首都ロメにて。
アラスカ出発 １９９２／４／１〜トーゴ １９９６／７ トーゴ出国までの走行距離 約８７３７６ｋｍ 
アフリカ走行 １９９６／２／１〜１９９７／５／２８ 走行距離 約２２１０７ｋｍ 
トーゴ走行 １９９６／７／２４〜１９９６／７／２６ 走行距離 約５５ｋｍ  |
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係官にビザを見せ、無事に入国印をもらってトーゴに入国。記念に国境で写真を撮ろうと思ったが、まずい様子。軍の施設などは避けてファインダーには海岸と人々くらいしか入れていなかったのに、それでもまずいらしい。私は、 「記念に撮りたい。」 と言うと、彼らはどうやら誤解していたようで、自分を入れて撮る分には一向に構わないようだ。アフリカはトーゴに限らず、人の写真に対しては意外に敏感な所があるので気を使う。
トーゴ 国境で記念に写真を撮ったが・・・。  入国してすぐに首都ロメに着いた。首都だと言う実感はないが、それでも中心街にくると活気のある人々の様子が目に入ってきた。狭い国だが１、２泊はしたいので、ガイドブックを頼りにして、フランス人経営の宿に投宿することにした。
トーゴ 小国トーゴの首都ロメ。
トーゴ フランス人の経営する宿に投宿。  ロメの街では、ガーナの首都アクラの自転車屋で紹介してもらった自転車屋、「サイクルアメリク」に行ってみた。ガーナ人は良い自転車屋だと言っていたが、品揃えは大した事なかった。それでもここでタイヤやチューブなどは買うことができそうだ。 この店のオーナーであるアメリクは、全トーゴの自転車レースでチャンピオンになったそうだ。それでこの自転車屋を開業しているのだろう。とてもフレンドリーな彼は、なんと私にシャツをくれるではないか。せっかくくれると言うし、重いからと断る訳にもいかず、そのまま遠慮せずにもらってしまった。 トーゴは所得が良いのか、それとも彼の家だけなのか、部屋に案内されると、そこにはテレビやビデオなどが置かれてあった。やはり国のチャンピオンともなると稼ぎもいいのか。 トーゴの首都ロメの街中は、欧州のとある田舎町のような感じの、小さな街だった。そんな街を飛脚号に乗って少し駆けてみた。街のレストランの中には中華もあったので、早速この日の夜食べに行った。安い上、とてつもなくうまい。こうした料理は大きな都会や首都でしか食べる事はできない。たくさん栄養を付ける。飯も写真もビザも取れるときとる、というのがアフリカ走行の鉄則なのだ。それにしても本当に中華はうまかった。 翌日２５日、朝方、銀行へ出向き旅行小切手を現金に両替。そして再び自転車屋アメリクに顔を出した。せっかくなので彼のところの売上に協力しようと、サイクルパンツに中国製のタイヤとチューブも購入していく事にした。サイクルパンツは欧州のどこから履き続けているのか、すでにボロボロなので、ここで購入できてちょうど良かった。 この日のお昼はアメリクが家に招待してくれた。プリン状のとうもろこしの主食（コートジボアールでも食べたもの）にオクラの入ったソースがかかっていた。それにマトンの肉。見た目とは違い、意外にもおいしかった。
トーゴ サイクルアメリク。ロメ出発の日、小さな店の前で。皆で記念に写真を撮った。 
トーゴ 私も一緒に記念に写真を撮る。小さな自転車屋だ。  トーゴという国は南北に長い国で、東西横断は自転車で１日あれば十分過ぎるくらい。余りに走行距離が短いので、走り去ってしまうのがもったいないくらいだった。 海岸沿いには見事な野菜農園が続いていた。道端ではレタスやニンジンなど色鮮やかな野菜が売られている。きれいにカゴに入れられて陳列されていたのがとても印象的だった。こうした野菜が取れるという事は豊かな土壌があるのだろう。爽やかなイメージが漂う海岸にはヤシの木もあり、ココナツビーチとでも名付けたくなる所だった。トーゴに入国してからの海岸線はずっとこんな感じの風景が続いていた。
トーゴ 海岸沿いを走って行く。 
トーゴ 潮風を受けながら走る走行は快適。 
トーゴ 国境の近くでメイン道路から田舎に続く道を眺めて。  入国してから走ったのはたったの５８ｋｍ。そこでもう、ベナンとの国境に着いてしまった。
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