第２７５話　８２カ国目　マリ 「ジェンネを目指して酷暑を走る・・・。」 気温４０度以上も酷暑で子供たちは 私を笑顔で迎え入れてくれた。 ▼ アラスカ出発　１９９２／４／１〜マリ　１９９６／６ マリ出国までの走行距離　約８５０６３ｋｍ ▼ アフリカ走行　１９９６／２／１〜１９９７／５／２８ 走行距離　約２２１０７ｋｍ ▼ マリ走行　１９９６／５／２２〜１９９６／６／９ 走行距離　約１０３２ｋｍ

オスマン氏に別れを告げ、マリの首都バマコを後に、目指すはジェンネと言う街。大きなマーケットが開かれる事でも有名な所だ。バマコからは距離にして約６００ｋｍ北東に走る事になる。ジェンネのマーケットは月曜日に開かれるので、できれば土、日曜日位には辿り着きたい。酷暑のマリの道をどのくらいのペースで走れるか不安を抱きつつ、そう考えていた。 　バマコから小さな町を通過しながら北東にと走るが、朝から暑く、商店に寄っては炭酸ジュースをガブガブと飲んでしまう。飲んでは走り、走っては休み、また水分補給。そのうち水分を取り過ぎて、腹がタプタプと鳴り出してしまった。 　バマコからどれくらい走っただろうか。大丈夫かと思った後輪のホイールのトラブルが再びやってきた。 「あ、あれ？」 ギニアのとき同様、走行中に突然誰かにブレーキを掛けられた感じで後輪が回らなくなってしまうのだ。これにはショックだった。オスマン氏に部品交換までして修理をしてもらい、後輪のホイールは完璧のはずだった。どうしたものだろう。またも落ち込み道に座り込んでしまった。理解できないまま飛脚号を道路端に寄せて修理を開始する。この修理は私には難解。午後の４時を過ぎても修理は続いた。しばらくすると雨が降ってきた。ようやく涼しくなったので半分喜びながら作業する。とりあえず修理を済ませ、これで大丈夫だろうと走り出すが、数ｋｍ走ると、再び同じトラブル。また飛脚号を道沿いの木陰に止め、雨をしのぎながら修理開始。 「なぜなんだ？どうしてだろう？」 マリの田舎道の木陰で飛脚号のハブを見てはその原因を色々と考えてみる。 「走るときつくなるのか・・・」 フリーホイールを分解して悩んでいると、ようやくその原因が分かった。フリーギアをはめるためのベアリングの入った太い軸がハブにはくっついているのだが、その太軸を更にハブに固定している特殊ネジがある。実はこの特殊ネジの不完全な締めが原因だったのだ。走っているとこのネジが微妙に少しずつ緩められ、その結果外側にフリーギアが押し出され、ブレーキのようにきつくなってしまう、と言う事らしい。 「でもどうしてだろう？」 セネガルからは何ともなく、ギニアでいきなりのトラブルとなった。初めてギニアで修理した時、ベアリングに当たるネジの先端が欠けていた事を思い出した。つまりこのハブはセネガルで交換した中古品。結局金属疲労から来るトラブルだったのだ。古いハブを使わない限りこんなトラブルは起きる事はないだろう。特殊ネジのための専用工具はないので、手持ちの工具をうまくはさみ込んで徹底的にきつく絞める。雨の中でこの修理を終えた後、アビジャンで新しいホイールに交換するまで、約２３００ｋｍの間、再び同じトラブルが起こる事はなかった。 ▼ 　マリ　当時私がつけていた走行記録、「走行グラフ早見」の一部コピー。原因はこフリーホイールを締め付けるネジにあった。 　トラブルを克服した私は、その後も爽快にペダルを踏んだ。途中の小さな村で米を買い、井戸で水の補給をした。小さな子供たちは泥だらけになりながら水汲みをしている。この日は雨が降り、暑くなかったせいか彼らもすこぶる元気が良さそうだ。私が井戸で水を汲もうとすると子供たちは、 「僕が汲んで上げる。」 と言う。私が、 「いいのかい？」 と聞くと、 「大丈夫だ。」 と言い張る。それどころか、小さなボトルを指差すと、 「そこにも入れていった方がいい。」 と言ってくれる。何としっかりしている少年少女だろうか。こんな田舎で暮らす、物資には決して恵まれてはいない子供たちだが、彼らからは生きる力強さみたいなものを感じずにはいられなかった。最貧国だから同情する、などと言う思いはこれっぽっちも湧かない。彼らは本当に強く生き抜いていた。 「こうした環境で育つ子供たちはハングリーに強く生き抜いて行くのだろう。」 そんな事を考えながら雨の中にテントを張って横になった。イベリア半島南部では泣かされた雨も、ここでは天の恵みに感じる。本当に嬉しい雨だ。途中の村で買ったヤギの肉を温め、気温の低くなった森の中でそれを食べると、走行の疲れも一気にとれてしまう感じだった。 ▼ 　マリ　この日も涼しそうなブッシュの中にテントを張った。 　翌日５月２９日、テントを畳んでいつものように出発する。途中にはいくつもの小さな村があり、その村にはイスラム教寺院、モスクがある。かつてアフリカや中東で見たものとは違い、マリでみたモスクは土壁で出来ていた。今までに見た事もないデザインなので、風変わりなこのモスクを見るのは楽しいものであった。目指すジェンネには世界最大の土壁モスクがあると言うから、それをマーケットと合わせて見れると言うのも楽しみだ。 ▼ 　マリ　途中の村々で見た土壁のモスク。とても変わった形だ。 ▼ 　マリ　こちらもモスクらしい。最初は学校か何かの建物かと思ったのだが。 　マリでは中国製自転車がとてもポピュラーで、猟銃を背にした男がちゃりんちゃりん。また夫婦２人乗りでちゃりんちゃりんと駆けて行く光景を目にする。 　この日の午前１１時頃だった。自転車に大きな荷物を載せた男が反対車線で座り込んで困っている様子だった。私の姿を見た男は、 「何かスパナのようなものはないかね？」 そうジェスチャーをし、呼び止めた。彼の自転車を見ると、タイヤのホイールが２ｃｍくらい振れている。その振れが余りに大きいためにブレーキに当たってしまっており、タイヤがうまく回っていない。自転車の荷台には私の荷物よりも重そうな穀物を載せており、きっとこの重さに耐えられなくなったのだろう。ホイールを見ればスポークも５〜６本なくなっている。これで１００ｋｍ以上北東のセーグーの町まで走るつもりだと言うからびっくり。重い穀物を積んだままこのままでは無理。私はギニアの田舎やバマコでお世話になった人々を思い出した。困っている彼を置いて走り出すと言うのは酷だ。今までお世話になった彼らに申し訳がない。私は彼の自転車が走れるように修理して行く事にした。スポークは私の予備を使う。ニップルも交換しようと思い、タイヤを外す。その際にチューブを見てまたびっくり。なんとそれはオートバイ用のチューブ。２４インチのバイクのチューブを２６インチの自転車に使っていたのだ。これには唖然。チューブは私も常に４、５本は余分に持ち歩いていたので、彼にあげる事にした。無事に修理は終わり、彼も走れるようになり、喜んでくれた様子であった。が、最後に不安そうに、 「いくらだい？」 と聞いてきた。私はビックリしたが、 「お金なんて要らないですよ。」 そう答えた。バマコでもギニアでもいつも助けてもらった。バマコのオスマン氏の借りをどこかで返したい。そんな思いが私の心のどこかにあった。全ての困っている人を助ける事はできない。でもこれくらいの修理なら私にもできる、そんな思いで彼の修理をしたのだった。 　無事に修理を済ませ、すっかり満足した私。飛脚号も昨日からは順調に走ってくれている。この日はファナの町に到着。安いオンボロホテルがあったので、庭でテントを張らせてもらう事にする。代金２００円。ここはアットホームで、井戸から水を汲んできてくれたり、椅子を出してくれたりと、気配り上手のおばさんが切り盛りしていた。 ▼ 　マリ　ファナの町の安宿の庭でテントを張らせてもらって２００円。 　宿の広い庭では、大量の炊き出しをしていた。かと思えば、夜には屋台にと早変わりした。そのうちに地元の人々がどこからか集まってきてベンチに座り、ゆっくり右手で食べ始める。その殆どの人々は食事を食べ残している。屋台の周囲には空き缶を片手に持った子供たちが数人。大人たちが故意に残した食事を食べていた。こうした光景は多くの地域で見る事になった。 「私も食事を残さねばならない、でも残すのは嫌いだし・・・。」それでも少し食事を残してその場を立ち去ると、案の定子供たちは私の残りを食べ始めていた。弱肉強食、言い方は悪いがそんな言葉を連想させる。 　翌日５月３０日。朝の８時にいつものように走り始める。目指すはジェンネ。この辺りまで北に来ると、セネガルと似たような高温の乾燥気候で緑も次第に少なくなり、北に向かうに従い更に暑くなっていくようだった。そのせいか、午前中から暑く、だらけた走行が続く。しかし道はギニアと違いアップダウンも少なくアスファルト道。これには救われた。 ▼ 　マリ　酷暑のマリを走る。アスファルトなのが救いだ。 ▼ 　マリ　日中は４０度以上になった。 　途中の村に井戸があると、その水を汲み上げては使えるかどうか確かめた。井戸によっては水も白く濁っており、赤い糸ミミズのような虫がプカプカ浮いていたりして、これを見るとフィルターを通しても飲用に使うのは恐ろしくなる。５分以上の煮沸消毒は欠かせない。 ▼ 　マリ　この井戸水は彼らの大切な生活用水・・・。アフリカの水事情は厳しい。 ▼ 　マリ　井戸の中は・・・。 　この日は追い風が吹いてくれ、思いのほか距離は伸びた。何とか暑さを凌ぎながら走り昼食を取ろうと思うが、食欲が湧かない。トマトをかじり、糖分たっぷりの紅茶を飲んで済ませた。 「なんとか月曜日にはジュンネに辿り着かねば。」 マリでもメインの見所、「ジェンネの月曜市」はどうしても見たい。暑いが気合いを入れ、ペダルを力強く踏んだ。 　この日は無事にセーグーの町に到着。想像していたよりも大きな町のようだ。 ▼ 　マリ　セーグーの町に入る。 ▼ 　マリ　セーグーの道沿い。 　ニジェール川沿いに開けるこのセーグーの町にやって来ると、爽やかに感じた。かつて走ったあのセネガルのダカールやセントルイスの涼しい潮風に似た風が吹いている。こうした涼しい風のせいか、町の人々にはどこか活気があるように見えた。涼しい風吹くこのセーグーの町では、ニジェール川沿いにテントを張ることにした。ホテルヘ投宿するにしても電気とエアコンが無ければ、地獄の蒸し風呂に泊まるようなもの。エアコン付きにすると相当高級なはず。そんな宿に止まるのははばかれる。私はニジェール川のほとりの民家に頼んで、広い空き地にテントを張らせてもらう事にした。テントを張ると、信じられない程気持ちの良い風が川面を伝って吹いてきた。 「今夜は気持ち良く眠れそうだ。」 ニジェール川はそれほど冷たくも無く、ちょうどいい水温。私はテントを張り終え、薄暗くなってからパンツ一丁になって川にプカプカと浮かんだ。月明かりが実に美しい。 「あー極楽だ。」 日中の炎天下の走行が嘘のように思える。こういう土地で時間を過ごしていると、川のありがたみや水の価値、それに自然の厳しさと優しさの両方を感じ取る事ができる。 「明日もまた走ろう。」 ニジェール川にプカプカと浮かんでいると、英気を養え、元気が湧き出てくるのだった。 　テントに戻り自炊を始めようとすると、民家の主がご飯を持ってきてくれた。 「あ、ありがとう・・・。」 感謝この上なく頂く。小石がご飯に混じっており、時々ジャリジャリと口の中で音は鳴るが、それでも美味しい。しばらくすると子供たちが集まってきた。片言のフランス語で彼らとやりとりする。しかし私のフランス語は全く進歩がなく、簡単な単語を聞く方はまだ良いのだが話すのはダメ。発音が悪いのか、子供たちにはケラケラと笑われてしまう。でも逆にそれで盛り上がって楽しい。しばらくすると、地元の少年と若い女の子がパスタを持ってきてくれた。次から次へと差し入れ。本当に嬉しい。でも恐縮してしまう。少年は、 「僕は日本に行きたいんだ。」 と言っていた。しばらくパスタを食べていると、次にマトンの串焼きまで持ってきてくれた。 「パスタもおいしい、この肉もおいしいよ、ありがとう。」 私はひたすら「メルシーボクー」を繰り返した。少年は、 「パスタはお姉ちゃんが作ったんだ。一緒に日本へ連れて行かないか？」 そう真剣に言われ困ってしまう。マリの人々が日本へ行ったとしたら、いったい日本をどう思うのだろうか。世界最貧国から先進国へ。私がマリでカルチャーショックを受けたように、彼らも日本の豊か過ぎる暮らしにショックを受けるかもしれない。 　ニジェール川から吹く爽やかな風を受けながら、この夜は涼しく過ごす事ができた。 　翌朝５月３１日金曜日。ジェンネの市の開催まで３日。このまま走れば日曜日にはジェンネに着けそうだ。 「今日も走るぞ。」 そう思いながら準備をしていると、昨日の子供たちが見送りに来てくれた。彼らと一緒に写真を撮る。 ▼ 　マリ　朝方になると地元の子供たちがやってきた。 ▼ 　マリ　子供たちと記念撮影をして出発。 　セーグーの町中にある井戸で水を補給していこうと思ったが、水道の前には大きなドラム缶があった。私の順番になるまでにはだいぶ時間がかかりそうなので、諦めて次の村の井戸で補給する事にした。 　この日もまた暑くなった。朝方のセーグーの爽やかさもどこへやら、午前１０時を回るといつもの酷暑がやってきた。真昼は４０度以上になる。だが、かつて走ったギニアビサウとは違い、空気が乾燥しているせいか、木陰を見つけそこで休むと何とか凌げる暑さだ。木陰で温度計を見ると３５度くらいまで下がるのだから、日なたと木陰では相当な温度差だ。ここで水を頭からかぶると、更に涼しくなる。マリの４０度の暑い大地も、水と木陰があれば自転車で十分走れる。 　井戸は小さな村で汲む事ができたので、そうした井戸で水を汲んでは濡らしたタオルを顔に巻きつけ、更にＴシャツを濡らし、気化熱を利用して体を冷やした。これだと日射病なども防ぐ事ができる。水を冷やすのも同じ原理で行った。水で濡らしたタオルをペットボトルに巻き付け、そして自転車の日陰部分に括り付けて走行中に風を当てる。するとこのペットボトルの中の水はとても冷たくなって美味しくなる。言ってみれば走る人間冷蔵庫のようなものだ。厳しい自然に翻弄されていると、人間はありとあらゆる知恵を出して環境に順応しようとするのかもしれない。マリの人に限らず、この酷暑のアフリカで定住し、生き抜いてきた人々は凄まじい力強さと、自然に翻弄されながらも自然と共生する膨大な知恵を持っているのではないだろうか。そんな思いが頭の中にあった。 　途中通過したブラの町の店に寄ると、清涼飲料水が冷蔵庫に入れられていた。 「冷たーい。」 こう言う店に入ると今度は文明の力に感謝してしまう。冷蔵庫に入っている冷たいものはやはりおいしい。でも田舎にはこんな冷蔵庫はもちろんなかった。 　首都のバマコからこの辺りまで走って来ると、モーリタニアで見たような、アラブ人と黒人が混ざったような顔付きの人々を多く見かける様になった。そんなブラの町の様子を眺めながら、この町でヤギ肉を食べたりして休憩した。少々暑く、食欲は今ひとつ湧かないが、無理に胃袋に詰め込んだ。 ▼ 　マリ　途中の村で休憩してはヤギの肉を食べたりして走った。 ▼ 　マリ　途中で見た可愛らしいモスク。風変わりで愉快な形をしているので、つい写真を撮ってしまう。 ▼ 　マリ　こちらもどうやらモスクらしい。 　ヤギ肉を買った店で、井戸の情報を聞いて再び出発する。しばらく走ると、フランスの援助によって造られたと言う太陽エネルギーを利用した大きな水汲み場があった。ここで水を浴びて５リットルのポリタンクを満杯にし、そこから４、５ｋｍ走った所で涼しそうな木陰を発見したので、テントを張って自炊した。 ▼ 　マリ　この日はブッシュの中に涼しそうな木陰を見つける事ができたのでここの下でテントを張った。 ▼ 　マリ　こうした木陰での野宿はとても涼しかった。 　翌日６月１日。涼しい午前中にできるだけ距離を稼ごうと、躍起になって走る。日陰３５度、日なたは４２度を越す暑さはこの日も続いた。最悪の時は４５度にまで上がる。日中は暑くてどうしても水分を多くとってしまう。何か腹に入れようと、とりあえずは缶詰などで腹を満たす。その後も必死に走り、明日のジェンネの市に間に合うように一生懸命ペダルを踏んだ。走行途中、わずかな雨がもたらしたであろう泥の水溜まりで、子供たちが元気に楽しそうに遊んでいた。 ▼ 　マリ　水溜りで元気に遊ぶ子供たち。 私を見た子供たちは、 「ブラン、ブラン、カドゥー」（白人、白人、プレゼントちょうだい・・・） と駆け寄ってきた。しかし私の方は暑くてもうくたくた。 「おい、ガキンチョたち、どこからそんな元気が出てくるんだ？」 こちらは直射日光を受けて子供たちに片手を上げるので精一杯。やっとペダルを踏んでいる思いなのだが・・・。酷暑で元気に生きる子供たちには全く脱帽だ。 　付近の村で見るバオバブの木々には、少しずつ緑の葉が付き始めている。セネガルではまるでお化けの木のようにも見えたが、ここでは緑がかったバオバブの木は、和やかな気持ちにさえさせてくれる。 ▼ 　マリ　あれは穀物倉だろうか。土壁の造りの可愛らしい建物。 ▼ 　マリ　地元の人々の住む家を眺めながら。 　がむしゃらにペダルを踏んだこの日は、１３０ｋｍを算出。運良く西からの追い風に救われた感じだった。これで何とか明日はジェンネに着けそうだ。 　途中通過した村でヤギの肉を買ってつまむ。焼きたてを食べると最高にうまい。夕食用に少し肉を買い、その後数ｋｍ走ってブッシュにテントを張ることにした。ところが場所選びに失敗。この時の木陰はどうやら日光が長い事当たっていたところらしく、いつまでも大地は暑いままだった。夜の１０時頃になってもまだ暑い。いつまでも暑いので、水をかぶっては暑さを凌ぎながら横になった。 「明日はジェンネに着けるのか。」 暑い寝苦しい夜だった。 ▼ 　マリ　この日も夜遅くまで暑く眠れなかった・・・。 　翌朝。くたくたで寝不足のはず、と思ったが、６時前の涼しい時間帯に目が覚めた。ジェンネに向かうにはダートも走るのでスピードが落ちる。風も向かい風だとまずいので、早速出発する事にした。張り切った甲斐があり、午前１０時に５０ｋｍを算出。マンゴーをかじりながら快適にペダルを踏んだ。途中にはまるでオモチャのような土壁で造られた風変わりな小屋が並んでいた。穀物倉のような感じだ。 ▼ 　マリ　土壁で造られた倉がたくさん造られていた。 ▼ 　マリ　何とも愉快な小屋。 ▼ 　マリ　村にはこうしたたくさんの倉が建っている。 　舗装された道から外れ、ジェンネに向かう為の道を西に向かって走り始めた。案の定西からは風が吹いてきた。日中にはこの風も熱風になり最悪となった。しかし途中の小さな村々には数々の土壁のモスクがあり、それらを見ては少し休み、写真などを撮ってジェンネへと向かった。 ▼ 　マリ　数々の土壁のモスクを見た。 ▼ 　マリ　土壁のモスク。 ▼ 　マリ　土壁で造られているという事が信じられない。 ▼ 　マリ　これが全部本当に土壁なのか？素晴らしい。 ▼ 　マリ　小さな村で見た土壁のモスクで。 　酷暑の中、それでも写真を撮ったりし、村にある井戸で休憩。ここでも子供たちは元気に過ごしていた。なぜこんなにも強いのか、４０度を越す暑さの中で私に笑顔で接してくれた。 ▼ 　マリ　元気な子供たちと。 　体を休めながらニジェール川の支流の浅瀬をバシャバシャと渡り、ようやく念願のジェンネの町にやって来た。到着は午後の４時頃。 ▼ 　マリ　浅瀬のニジェール川の支流をバシャバシャと渡ってジェンネに向かう。 ▼ 　マリ　ニジェール川の支流を渡って。 　モスクすぐ近くにル・キャンピングと言う外国人向けの宿があり、ここの屋上で宿泊が可能だと言うので、早速テントを張らせてもらう事にする。ここだと眺めも良さそう。テントを張り２泊する。 ▼ 　マリ　ジェンネではル・キャンピングと言うキャンプ場の建物の屋根にテントを張らせてもらった。 ▼ 　マリ　ここなら夜も涼しいかも知れない。 　少年２人が明日の観光のガイドをと申し出るので、午前７時から１時間少し町中を案内してもらう事にした。明日のジェンネのマーケットがとても楽しみだ。 ■ 次のストーリー第２７６話へ▼