第２６５話 ７９カ国目 セネガル 「マンゴー街道を走って・・・。」  セネガルからギニアビサウに向かう。 マンゴーの木がたくさんある、「マンゴー街道」だ。
アラスカ出発 １９９２／４／１〜セネガル １９９６／４ セネガル出国までの走行距離 約８２６２０ｋｍ 
アフリカ走行 １９９６／２／１〜１９９７／５／２８ 走行距離 約２２１０７ｋｍ 
セネガル走行 １９９６／３／２５〜１９９６／４／２３ １９９６／４／２７〜１９９６／４／２９ 走行距離 約２５０ｋｍ  |
|
あっという間に通過した小国ガンビアから、再びセネガルに入国する。
セネガル 小国ガンビアから再びセネガルへと入った。  同じ部族語を話しても異国であり、国境線が敷かれている。先進国の都合で敷かれた不便な国境なのかもしれない。 国境を通過しようとすると、ガンビアの時と同じように、 「私は日本へ出稼ぎに行きたいんだ。」 と、青年が話しかけてきた。
セネガル 日本へ行きたいと言うセネガルの青年と村の子どもたち。  国境を越えてしばらく走ると、ディオローローと言う村に着いた。ここで玉ねきに卵に缶詰などの夕食の材料の買出しを行う。自炊用の水が無かったので商店のおばさんに聞くと、近くにいた少女が、 「ちょっと待って。」 と言ったかと思うと、水を汲んで来てくれた。私のタンクは５リットルと、少女にとっては重たかったと思うのだが、彼女は笑顔で渡してくれた。この日もまたテントを張り、自炊。
セネガル 周囲ではきれいな青色の羽をした鳥が空を舞っていた。 
セネガル ディオローローと言う村を過ぎた所でテントを張って野宿した。  翌朝テントを畳んでいると、いつものように地元の少年たちがやって来て様子を伺っていた。危険を感じるのか、なかなかすぐ近くまでやってこないのがちょっと悲しい所だ。 この日は朝から暑く、気温は３５度。雨期を前に、この近辺ではこの時期、４月、５月が一番暑いようだ。まだ暑くなるのだろうか。 以前セネガル北部で見たバオバブの木は少なくなり、周囲には緑の葉を多く付けた植物が目立つようになってきた。マンゴーの実を付けた木々も多く目にする。かつて見た事もないような高い木々が茂り、ガサガサと音がしている。何かと思ってよく見ていると、猿がピョンピョン飛び回っている。かと思ったらその辺の民家の隅ではその猿を燻製にしていた。ヤシもマンゴーも嫌と言うほど目にするようになり、マンゴー街道まっしぐらと言った感じがする。
セネガル マンゴーの木々も多い。 
セネガル ギニアビサウの国境を目指し走った。 暑かったこの日は、商店を見つけては端から寄って炭酸ジュースを飲んでいた。数え切れない位のジュースを胃袋に入れてしまった。水分を多く取リ過ぎたので昼は食欲が湧かず、腹はタプタプと水ぶくれ状態。これでは余計に疲れてしまい悪循環だ。 南下するに従い緑は多くなっていった。この日はマングローブの生えている湿地帯を見ながら走ったのだが、不快指数が高いことこの上ない。熱風が肌に吹き付けると、 「アッチー」 と声が漏れてしまいそうだ。たまらなく暑い。午後５時過ぎになるとようやく涼しくなり始める。ジギンチョールと言う町に到着し、今夜はここの宿で一泊する事にした。ヤギがメーメーと鳴く、田舎の小さな宿だ。シャワーを浴びて気持ち良く眠れるかと思ったが、この日はいつまでも蒸し暑く、ぐったりした。暑いのは辛い。
セネガル ヤギがメーメーと鳴く宿で一泊した。  ジギンチョールを後に、いよいよ８０ケ国目であるギニアビサウヘとペダルを踏み出していく。 「今日も暑くなりそうだな。」 フルーツを買って町を後にする。町の人々がギニアビサウ国境への近道を教えてくれていたので、田舎の砂道を突き進んだ。しばらく走るとアスファルトの道に出た。周囲には本当にマンゴーの木ばかりが目に入る。しかしまだ実は青く、もぎ取って食べるには早そうである。
セネガル 至る所に生えていたマンゴーの木。まだ食べるには早そうだ。  しばらくその「マンゴー街道」を走ると、前方にセネガルの国境が見えた。ここでセネガルの走行も終わり。出国スタンプをもらい、８０ヶ国目のギニアビサウへと向かうことにした。
|