第１９３話 ６０カ国目 フランス 「春の日差しを浴びて・・・。」  春真っ盛り。 フランスの畑はなんと美しいのだろう。
アラスカ出発 １９９２／４／１〜フランス １９９５／１１ フランス出国までの走行距離 約７５３２６ｋｍ 
欧州・中東走行 １９９４／６／２９〜１９９６／２／１ 走行距離 約３４１３１ｋｍ 
フランス走行 １９９４／１０／１８〜１９９４／１０／２０ 及び １９９５／４／２４〜１９９５／５／２６ １９９５／１１／１６〜１９９５／１１／２７ 走行距離 約２１５４ｋｍ  |
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翌朝、林の中での目覚めは快適。フランスの田舎には自然が溢れている・・・。小鳥の鳴き声が聞こえ、テントの下では虫たちがガサガサと動き回っている。テレビも電気もない森の中の野宿は、快適な空間だった。
フランス 鳥の声と虫の動き回る音。気持ちの良い春の朝日が差し込む。贅沢な空間・・・。 
フランス 家を建てるなら森の中がいい・・・そんな事を考えてしまう。  出発した朝方の気温は１０度くらい。しかし日中は２０度まで上がる。アップダウンも多くなっていったので、走行中は汗ばみながらペダルを踏み、何度もボトルに口を運んだ。 その後通ったモーリンズエンギルベルトと言う町では、青空市が広かれていた。マーケット好きな私は、ここで写真を撮って行く事にした。
フランス モーリンズエンギルベルトの小さな街で見た青空市。 
フランス こうした庶民的な市は歩いて見ていると本当に楽しい。 
フランス マーケットの様子。  マーケットを歩きながら写真を撮っていると、オランダ人家族が声を掛けてきた。旅好きの主人と意気投合し、我々は立ち止まって旅の話をした。アフリカにもアジアにも行ったことがあるという旅好きなオランダのお父さんは、私の旅にとても興味を示してくれた。それにしても、家族でこんな風にフランスの田舎を旅できるなんて羨ましい。陸続きの欧州ならではか・・・。
フランス ガッツの入ったオランダパパ（左）。娘さんは背が高い（右）。 
フランス 「日本人は写真好き・・・」という構図で、どうやら撮られてしまったらしい。  オランダの家族にさようならを言い、町を後にひたすら北上を続ける。 春めいているので、新緑がとても気持ち良かった。腹が減ったので牧場の隅に入り、草っぱらに座って昼食を食べ、そして野原に寝転んだ。上を見上げると真っ青な空と木々の葉の緑がそこにあった。 「きれいな緑だ。いい季節がやって来た。春なんだなあ。」 暑い砂漠を走っても、辛い酷暑でも、マイナス気温でも、こういう場所に辿り着けるから、頑張ってペダルを踏んで来れる。
フランス 広大な牧場の隅に座りこみ、ここで昼食をとった。 
フランス 寝転んで上を見上げると、気持ちの良い日差しが差し込んでいた。  すっかり春のフランスサイクリングに酔いしれた私は、飛脚号にまたがり、更に北を目指し走り始めた。 しばらくして、途中の小さな村に倉庫のような古い建物を見つけた。それが何だか気になったので、中を少し覗いてみれば、ものすごい数の陶器が並んでいる。 「こりゃ面白そうだなあ。」 ちょっと寄って写真を撮って行く事にした。
フランス 陶器が並んでいた倉庫のようなお店。  「これ、全部でどのくらい並んでいるんです？」 屋内にいた人に聞いてみると、 「１０万点くらいはあるかしら。」 ものすごい数・・・。田舎の陶器博物館みたいな所だった。
フランス １０万点くらいはあると言うたくさんの陶器。 
フランス 小さな田舎の「陶器博物館」と言った感じもする・・・。  小さな村で陶器の見学を済ませ、快晴の空の下、私は春のフランスを満喫しながら北上を続けた。目の前には一面に黄色の花が咲き誇り、春のフランスは、まさに天国のよう。
フランス 広い畑にうまいこと１本の木を残しておく、というのがポイントなのかもしれない。
フランス 天国に行ったらこんな風景が広がっているのだろうか。 
フランス 真っ青な空と雲、それに黄色の花。 
フランス 田舎で見る風景。  この日は張り切って写真を撮り、ゆっくり走ったので、遅くまでペダルを踏んでしまった。クラムシーの街を過ぎ、道沿いのベンチの横にテントを張って眠りについた。
フランス 道沿いに休憩所のような所があり、ここで野宿を行った。  翌日、快晴の空の下を走り始める。目指すはパリ。そしてその先のイギリス、スコットランドにアイルランド。 「大英帝国ももうすぐだ・・・。」 延々と続く牧草地に、古びた教会を見ながらもくもくと走った。
フランス 途中立ち寄る小さな街には美しい建物ばかりが目に入る。 
フランス 街の向こうにはやはり黄色の畑が広がっていた。  気持ちの良い天気の中をひたすら北上し、モンタルジと言う街に到着した。ここでは、久々にキャンプ場に投宿する。１泊は１９フラン。約４００円。パリよりもきっと物価は安いだろうから、洗濯などの雑用はこの街で行って、それからパリのキャンプ場に向かう事に決めた。 ちなみにパリのキャンプ場は１泊６３フラン。ここ田舎町モンタルジの３倍。滞在のコストを考えると、雑用はこうした田舎町で行ってから大都会パリに向かう方が得策。このモンタルジのキャンプ場で数日過ごす事に決めた。
フランス その辺の森に手を加え、そのままキャンプ場にしてしまったような、そんな所だ。 
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