| ▼ |
第６８話 ２３カ国目 エクアドル 「ガラパゴス諸島で感じたこと」  リクイグアナは何か私に語りかけていたような気がした。
アラスカ出発１９９２／４／１〜エクアドル１９９３／４ エクアドル出国までの走行距離 約２４７４１ｋｍ 
南米走行１９９３／３／１〜１９９４／６／２７ 走行距離 約２１６９７ｋｍ 
エクアドル走行 １９９３／３／１４〜１９９３／４／２２ 走行距離 約１２８６ｋｍ 
ガラパゴス諸島 １９９３／３／２５〜１９９３／４／５  |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
１９９３年３月２５日。世界一周に出発して調度１年目、私は赤道直下の動物たちの楽園、ガラパゴス諸島に向かっていた。愛車飛脚号ともしばらくの間、離れ離れ。島に行っている間は、荷物などはキトのホテルに預かってもらうことにした。 ガラパゴス諸島は、かねてよりとても楽しみにしていた島。本来なら愛車飛脚号を持ち込み、船で島々を点々と渡り歩き、島内を縦横無尽に駆け巡りたいところだが、国立公園のガラパゴス諸島ばかりはそんな訳にいかない。絶滅危惧種の動物もたくさん暮らしている。動物たちは手厚く保護を受けながら、「楽園」での暮らしを満喫しているに違いない・・・。 ダーウィンの進化論などでもとても有名な動物たちの楽園。テレビなどではその美しい様子を見たことはあった。しかし、実際どんな島々がそこにあり、どんな動物たちがどのように暮らしているのかは、私はよく知らなかった。「動物の楽園」と形容されているのだから、とにかくたくさんの動物が楽しそうに暮らしているのであろう。そんな風に考えていた。 キトから飛行機に乗ること約２時間。太平洋に浮かぶガラパゴス諸島のバルトラ島にと降り立つ。標高２０００ｍ近くのエクアドルの首都キトからここにやってくると、信じられないくらいの強い日差しにビックリさせられてしまう。 「ここもエクアドルなのか？」
エクアドル ガラパゴス諸島 ガラパゴス諸島の第１歩。バルトラ島の空港に降り立つ。とにかく日差しが強い。  「来てしまったかあ。」 大金を費やして、別に後悔しているわけではない。しかし、中米で裕に３ヶ月は過ごせるであろう資金を、わずか１０日のガラパゴスに投じる事に、抵抗は全くなかったと言えば嘘になる。それだけの価値が、いや、それ以上の価値がこの島にはあるはずと感じたからやってきたのだ。それにしてもすぐに金に換算してしまうのは、最近の長期旅行の悪い癖かもしれない。旅行中は収入もないので、切り詰める事に一生懸命。我ながらせこい。 そんなことを考えながらガラパゴス諸島に入ると、いきなり４０ドルプラス３２００スークレ（計US４２ドル）を払わされた。 「え？」 入島税とでも言うのだろうか。いきなりの４２ドルはこのときの私にとってはとてもショックだった。 空港のあるバルトラ島からバス、船、バスと乗り継いで、サンタクルース島の南の町、プエルトアヨラに向かう。
エクアドル ガラパゴス諸島 バルトラ島からサンタクルース島へ渡り、南部のプエルトアヨラの町に向かった。  何分バスに揺られたか、南のプエルトアヨラの町に到着。どこかの南国の小さな島国といった感じで、アンデス山中にあるキトとはまるで別世界。ここもやはりエクアドルなのだ。
エクアドル ガラパゴス諸島 プエルトアヨラの安宿から海を眺めるとこんな景色が望める。  海辺の５００円と言う安宿「ホテルエリザベス」に投宿し、早速諸島巡りのツアーを探すべく、街中を歩き回った。人がたくさん入っていそうな、人気のありそうなオフィスを見つけ聞いてみる。格安ツアー料金に期待していた。ところが金額が半端でない。 「え、１泊３食付きで７０ドルですか？」 すると、 「５０ドルと言うのもありますよ。」 私が今まで扱ってきた値段とはやはり桁が違う。さすがガラパゴス諸島。せめて２０ドル位がエクアドルなら妥当だと思うのに・・・。中米などを旅していると、 「７０ドルあったら、果たして何日過ごせるだろうか。」 そんなせこいことをすぐに考えてしまうのだった。 結局１泊３食付きで６０ドルという価格の、８日間ツアーに参加することに決定。もう大奮発。ガラパゴスの費用はチケットが３２８ドル（学割使用）、入島料金が約４２ドル、ツアー料金が４８０ドル、更に宿の滞在料が１０ドルで締めて約８５０ドル。物価安のエクアドル旅行中の私に、この数字はショッキング。しかし今回は旅の１周年記念だ、と納得した。 輪をかけてショックだったのは島の物価。さすがにレストランの値段などもキトの倍以上。地元の人の暮らしもどこか豊かそうに見えた気がした。 ツアーの出発日は３月２７日の晩。それまでは時間があったので、どうしようかと思ったが、港を歩いていると自転車屋さんがあったので覗いてみることにした。すると、 「こんにちは。自転車好きなんですか？」 と聞いてきた。 「ええ、まあ。」 「明日５時に島の１番高いところまで皆でサイクリングに行くんですよ。良かったら、あなたもどうです？」 働いていたエドワルドさんがそう気軽に誘ってくれたので、それは願っても無い嬉しい誘いだと、喜んでオッケーした。 「ガラパゴス諸島の道をサイクリングできるなんて・・・。」 そして翌朝。約束の時間になっても彼らはなかなかやって来なかった。 「朝の５時と言ったのに。まだかなあ。これだからラテン系の人間はって言われるんだ、まったく。」 などと思っていると、６時ちょっと前に彼らはようやくやってきた。 「ちょっと遅かったですね？」 「え？」 「もう６時ですよ。」 「あなた、キトを出て時計を直しましたか？」 時差というものをすっかり忘れていたアホな私。申し訳ないやら、情けないやら。すっかり恥をかいてしまった。と言うことで、予定通り５時にサンタクルース島のサンタロサという地区目指し出発。私は彼らから借りた自転車で走る。道はサンタクルース島を縦断している道。
エクアドル ガラパゴス諸島 ６時（５時？）になってようやく迎えにきてくれたエドワルドたち。  私を含め、皆レーサー用の軽い自転車なのでとても速い。海抜０ｍから７００ｍ近くまで汗だくで競争。しかし、アラスカから５０ｋｇの荷物を積んで毎日ペダルを踏んでいる私に、さすがの彼らも叶わない様子で、峠１番乗りは私がもらってしまった。のんびりサイクリングと言うよりは強化練習といった図だった。 峠近くのサンタロサで休憩。ガラパゴス島民とエキサインティングな楽しいレースができた。エドワルドさんは、 「毎年１２月３１日には島でレースがあるんだ。良かったらあなたも出場しないか？」 と誘ってくれた。嬉しい限りだが、その頃にはずっと南のパタゴニアを走っているだろう。でも機会があったら是非、参加してみたいものだ。
エクアドル ガラパゴス諸島 サンタロサで休憩。ガラパゴス島民と共に汗を流した。 
エクアドル ガラパゴス諸島 安宿の前でエドワルドと。  貴重な思い出を作り、彼らと別れる。お昼は近くのビーチを見学。ここの砂浜はまたきれいで、真っ白な砂浜とコバルトブルーの海が広がり、この世のものとは思えない光景だった。リゾート化されたカリブでは見られないカニや鳥などを見て、早くツアーで島巡りをしたいと、胸をワクワクさせた。 ３月２７日の夜、いよいよツアーに出発することになった。荷物を持ち、港に行くと格好いいヨットが浮いていた。どうやらこの小さな船で島を巡るらしい。 ヨットには船員とガイドが４名、ツーリストはノルウェー人３名、ドイツ人４名、スイス人２名、そしてジャパニーズの私で、計１４名。そして１週間の船旅は始まった。 夜だったのでそれぞれが自己紹介などをしたのち、ヨットの狭いベッドに横になった。私の部屋は１人部屋。調度顔の上に小窓がついており、夜はここから満天の星空を眺めることができた。小さいながらも特等の寝室、と私は思っていた。夜に港を出航したヨットはサンタマリア島へと向かって行った。 ３月２８日、プエルトアヨラ南部のサンタマリア島に上陸。ガイドは英語も上手なエクアドル人、ジュリアン。男から見ても俳優のようないい顔をしており、早速ノルウェーの金髪美女たちの心を奪っていたようだった。この人が今回の我々のガラパゴスへの案内人。若いガイドなら気軽に接することができそうだ。 砂浜に上陸すると、可愛いカニが迎えてくれた。岩にはウミイグアナもたくさんいる。
エクアドル ガラパゴス諸島 サンタマリア島の砂浜。ここはどこの楽園か？ 
エクアドル ガラパゴス諸島 手のひらサイズの小さなカニが大きな砂浜を我が物顔で歩いていた。 
エクアドル ガラパゴス諸島 ウミイグアナ。そのまま大きくしたら太古の恐竜にでもなってしまいそう。  サンタマリア島上陸に伴い、ガイドのジュリアンが、全員に島の規則やこれからの予定などを、砂浜をホワイトボード代わりにして説明し始めた。 「１日目はここ、２日目はここ、こんなルートで回って行きます。各島へのゴミの持ちこみはもちろん禁止です。動物たちにも触れてはいけません。アシカの母親に触れば人間の匂いがついてしまい、赤ちゃんが母乳を吸わなくなってしまいます。いいですね。」 地図に書かれた島の名とガイドのジュリアンの島の呼び名が違うので、どうしたのかと思ったら、フランス人と英国人とスペイン人などによって呼び名が付けられているために、島の呼び名も３つあるという。サンタマリア島をフロレアーナと呼ぶ人もいれば、ある人はチャールズとも言う。ちょっとややこしい。
エクアドル ガラパゴス諸島 これからのツアーの日程や注意事項などを説明するジュリアン。 
エクアドル ガラパゴス諸島 自転車、バイク、焚き火厳禁。国立公園内の規則は厳しい方がいい。  「さあ、行きましょうか。」 サボテンが生える中、ジュリアンの説明などに耳を傾けながら歩いた。ツアーと言うよりは大人の遠足気分。しばらく歩くとそこには沼地があり、ピンクのフラミンゴがたくさんくつろいでいる。
エクアドル ガラパゴス諸島 遠足気分で島を歩く。  「うわー、本物か？野生なんだ？」 思わず声が漏れてしまう。 まるで置き物のようで、１本足でずっと動かずに立っているものもいる。
エクアドル ガラパゴス諸島 野生のフラミンゴを目の前に・・・。  島の小高い丘を越えると、その向こうに白砂のビーチが広がった。ここで少し休憩。島を１日中見て歩くのかと思ったが、さすがにツアーと言うことで、過酷な行動は予定には入っていない様子。１、２時間も歩くと船に戻り、昼食をとり、海に潜ったりした。午後になるとまた別の浜辺に船を着けて動物などを見学。そんな観光パターンを繰り返した。 昼食をとっていると、上陸用のゴムボートのヤマハのモーターの上にペリカンが飛んでくる。我々の食べ残しを狙っている様子だ。また、海面から突然「ぷおー」っと音がしたかと思うと、アシカなどもやってくる。どこでもいつでも動物たちに囲まれている気がする。
エクアドル ガラパゴス諸島 浜辺でくつろぐガラパゴスアシカ。我々の事は眼中にないのか？ 
エクアドル ガラパゴス諸島 どうやら子供のアシカのようだ。  翌日、３月２９日。サンタマリア島の東に位置するエスパニョーラ島へ移動。いつものようにヨットを沖に停泊させ、ゴムボートで島に上陸すると、迎え入れてくれたのは昨日も見たアシカの親子たち。寝転がって、実に彼らも気持ち良さそうだ。我々を見ても全く逃げもせず、首を傾げているだけ。 イグアナたちが多く生息している区域を横切れば、テリトリー争いをする興味深いシーンを目撃することもできた。
エクアドル ガラパゴス諸島 テリトリーを守るイグアナとにらめっこ。 
エクアドル ガラパゴス諸島 アオアシカツオドリもキョトンとした顔で私を見つめた。まったく人間を恐れないのが嬉しい。  島の見学のあと、エスパニョーラ島の海岸を泳ぐが、巨大なウミガメも珍しくなく、つがいらしいカップルが悠々と泳いでいる姿を見ることが出来た。と思ったら、私の前方をガイドのジュリアンとノルウェー人のアンナが手を繋いで仲良く泳いでいた。それはどうでも良いが、こうした水中ももちろん動物たちの楽園なのだ。動物たちとこれだけ身近に接するなど夢のよう。時間はあっという間に過ぎ去っていってしまう。
エクアドル ガラパゴス諸島 アオツラカツオドリの親子。子供はまだ産まれたばかりなのだろう。  ヨットに乗りこみ、風を受けてサンタクルース島近くのサンタフェに向かった。 夕日と島のシルエット、それに船のデッキでくつろぐ旅行者のシルエットがロマンチックだった。右手にいたスイス人女性スーザンの横顔がとても爽やかで、楽しそうに見えた。私はほんのり彼女に気を寄せてしまっていた。
エクアドル ガラパゴス諸島 ガラパゴス、赤道直下で見る夕日は美しすぎる。右手のスーザンの顔がとても素敵に見えた。 
エクアドル ガラパゴス諸島 みんなが見惚れたガラパゴスの夕焼け。  ３月３０日、サンタフェ島に上陸。サボテンの中を歩いていると、大きなリクイグアナがのっそり構えている。まるで小さな恐竜のようでもある。ジュリアンがサボテンの実をポイと投げると、パクッと食いついていた。 午後はいつものように海に潜った。サメもいればウミガメもおり、毎日大自然の中で動物たちを間近にして、彼らと会話をしているようにも感じるのである。
エクアドル ガラパゴス諸島 リクイグアナは沈黙のまま、何か私に語りかけていたようだった。
エクアドル ガラパゴス諸島 リクイグアナと出会った場所。手前で写真を撮っているのはジュリアン。 
エクアドル ガラパゴス諸島 ガラパゴスノスリが直角に首を曲げた。私も真似して曲げる。  ３月３１日の朝方、サンタフェの島のマングローブに囲まれた湾に向かった。波の立っていない静かな入り江だ。エンジン付きのゴムボートである程度まで進み、奥に入ってからは皆で手漕ぎ。波の立たぬ入り江で声も出さずに我々は息を飲んだ。
エクアドル ガラパゴス諸島 マングローブの生い茂る入り江で我々は息を飲んだ。  誰かが、 「まだです？」 と言うと、 「静かに！」 ジュリアンが口を閉じろとジェスチャーをした。 しばらくすると、海面下に何か動くものが見えた。 「スー」っと浮いてくるそれはウミガメだった。その様子は神秘そのもの。このときばかりは客の間に会話はなかった。
エクアドル ガラパゴス諸島 ほんの一瞬海面に顔を出したウミガメ。マングローブに囲まれた入り江での神秘の世界。  この日のお昼は、初日に降り立ったバルトラの島に寄り、３名のドイツ人オバサンと２名のスイス人カップルを乗せ、ツアーが始まった。 サンタクルース北西に位置するサンチャゴ島に向かう。この横にはソンブレロチノ（中国帽子）と言われる島がある。この近くで船は停泊。そして夜しか行動しないというロブスターを取りにガイドのジュリアンと、もう一人のスイス人ロチェと海に潜った。かなり深くまで潜ってみたが、結局私が一匹取ったのみ。食べるためにとったのだと思ったのにジュリアンは、 「逃がして上げてよ。」 ジュリアンの指導のもと、残念ながらロブスターはお預け。自然の掟は厳しいものなのだ。 夜が来て眠りについたと思ったら、もう朝が来た。朝日はさっき昇ったと思ったのに、もう日が暮れて夕焼け。そして星空を眺めている。ガラパゴスでの日々はとにかくアッという間。充実している証拠かもしれない。
エクアドル ガラパゴス諸島 朝日を見たと思ったらもう夕焼け。ガラパゴスで過ごす日々も残りわずかか。  １９９３年４月１日。アラスカの地を出発してこの日で丸１年が過ぎた。私は世界を走りながらどう成長したのだろう。ペダルを踏んで今は南米。ここから先にはどんな出会いが待っているのだろうか。来年の今頃は果たしてどこを走ってるのか。自分が歩んできた１年の歳月を振り返っていた。 １周年のこの日、ジュリアンに付き添って、ソンブレロチノへ登る。結構勾配もきついので大変。しかし、ここからの眺めは絶景。溶岩やコバルトブルーの海はかつて見たことのない光景だ。サンチャゴ島の黒い溶岩石は、遥か古代の地球の成り立ちさえも感じさせてくれた。
エクアドル ガラパゴス諸島 ソンブレロチノ（中国帽子）からの眺め。地球の成り立ちや太古のロマンを感じさせてくれる。  登山を終え休息。私は休みなど取らずにあるだけの時間を歩き回りたいと思ったが、オバサンたちもいるのでそうもいかない。午後の４時過ぎ、フラミンゴの群れを見に皆で出かける。夕日を浴びたフラミンゴたちの姿には息を飲んでしまった。
エクアドル ガラパゴス諸島 夕日を浴びたフラミンゴたち。優雅な姿に見惚れてしまう。  この夜、私の旅が１年目と知って、ジュリアンがお祝いの言葉をくれた。 「ヨシ、これからまだ４年も旅するそうだね。危険もいっぱいあるかもしれないけど・・・幸運を祈っているよ。」 そう言ってくれた。 星空を見ながら、１年間を振り返った。まだまだ、旅はこれからだ。来年はどの国を走っているのだろうか。無事に走っているだろうか。もしかしたら帰国しているかもしれないな・・・。 ４月２日。バルトロメ島からサンチャゴを眺めた。ここのポイントもやはり絶景。見下ろす浜のわずかな緑、両脇を真っ青な海が取り囲み、左手前には大きなクレーターもある。こんな景色を見て、ただ私はシャッターを繰り返し押しているだけ。雄大な風景を見ても、 「これは大自然の神秘だ。」 そんな言葉くらいしか思い浮かばない。
エクアドル ガラパゴス諸島 こんな景色に出会えるなんて・・・。 
エクアドル ガラパゴス諸島 古代の世界にタイムスリップした感じもしてくる。  午後はいつものように海に潜った。ガラパゴスペンギンが目の回るスピードで私の前を泳ぎ回っている。魚を追いかけまわしているのか、とにかく速い。目で追っていても見失いそうになるくらいのスピードだ。そんなペンギンたちと戯れた。
エクアドル ガラパゴス諸島 ガラパゴスペンギンと戯れる旅行者。 
エクアドル ガラパゴス諸島 目を瞑って日向ぼっこしている姿が可愛いい。  最終日の４月３日、セイモア島に寄って期待のグンカンドリを見学。喉を赤く大きく膨らませるオスの求愛姿は、どうしても写真に撮っておきたかった。
エクアドル ガラパゴス諸島 どうしてもそのグンカンドリの姿は写真に撮っておきたかった。  このセイモア島を最後にツアーも終了。もう終わってしまった。プエルトアヨラではガラパゴスゾウガメを見学し、キトへ戻る準備をした。
エクアドル ガラパゴス諸島 果たして彼は何歳か？ガラパゴスゾウガメから昔話しを聞きたいものだ。  １週間に及ぶガラパゴス諸島巡りは終わり。最終日にツアーの打ち上げを皆で行ったのはプエルトアヨラのレストラン。偶然、この日が私の誕生日ということもあって、お祝いの言葉を私にくれた。
エクアドル ガラパゴス諸島 約１週間一緒したツアー客の面々。１部のドイツ人オバサンを除けば皆２０代。  「ヨシ、お誕生日おめでとう。」 そう言って、ノルウェーの金髪美女アンナと、スイスのスーザンが私の頬にキスをしてくれた・・・。などと考えたりしていたが、そんなことはありゃしない。しかし、スーザンは、 「もし、よかったらスイスに来たときに寄って。」 そう言うと、私に住所を書いて渡してくれた。この辺はさすが旅行好きなスイス人らしい。寄る寄らないは別として、彼女の気配りはとても嬉しかった。 とても充実したガラパゴスの日々を送り、私は飛脚号の待つキトへと舞い戻った。 動物たちの楽園ガラパゴス諸島は私にとっても楽園だった。イグアナとにらめっこをし、アオアシカツオドリと見詰め合い、ウミガメと泳ぎ、ガラパゴスペンギンに水中で振りまわされた。素直に自然のまま動物たちと向き合い、大自然の神秘を体で感じ取った。涙が出るくらい素晴らしい貴重な自然の営み、が変らず後世に残っていて欲しい。 ガラパゴス諸島が私に教えてくれたことはとても大きかった。地球の大自然の営みの素晴らしさを教えてくれたように思うのだ。彼ら動物たちも私の心に何か訴えていたのだろう。８５０ドルでは安すぎるくらいの、価値のあるとても貴重な日々をガラパゴスで過ごせたように思っている。
エクアドル ガラパゴス諸島 いつまでも変らぬ大自然を後世に・・・。 
|