第３０１話　９０カ国目　カメルーン

「快晴のルムスキー・・・。」

雄大な渓谷の中に身を置くと、地球が丸く見えた。

アラスカ出発　１９９２／４／１～カメルーン　１９９６／１１
カメルーン出国までの走行距離　約９０７３３ｋｍ

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アフリカ走行　１９９６／２／１～１９９７／５／２８
走行距離　約２２１０７ｋｍ

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カメルーン走行　１９９６／９／１９～１９９６／１１／１２
走行距離　約７９４ｋｍ

　翌日９月２９日。値段も良かった宿は、やはり寝心地も良かった。モコロの町でガソリンを買い、マーケットに寄り、玉ねぎ、オクラ、ジャガイモなどを購入していく。店の主はフレンドリーで、
「ヤム芋だ、食っていけ。」
とくれた。食べるとなかなかいけた。モコロの町中にはきれいな舗装路が敷かれていたが、町を一歩出ると一転して大きな石の転がるダートにと変わった。アップダウンも多くなりそうだ。

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　カメルーン　モコロから南、ルムスキーへと向かう。

　モコロから数ｋｍ走ると、広大な眺めが目の前に広がっていた。どこまでも伸びる樹海。そこに浮かぶようにある岩山。その雄大な景色に感動し、写真をパチパチとたくさん撮ってしまった。

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　カメルーン　雄大な眺めが広がるようになった。

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　カメルーン　遠くに見える奇岩のある所がルムスキーのようだ。

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　カメルーン　素晴らしい眺めは続いた。

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　カメルーン　ルムスキーに向かう途中の風景。

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　カメルーン　細いダートをひたすら走って行く。

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　カメルーン　ルムスキーに向けて。

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　カメルーン　上り下りが激しく結構しんどい。

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　カメルーン　遠くまで見渡す事ができた。

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　カメルーン　地平線はどこまでも続いていた。

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　カメルーン　次第に近づいて行くが、その大きな奇岩の集まりに圧倒されてしまう。

　景色はいいが、走りは常に上りか下りで苦闘した。お昼まで走って岩山を見つつ食事。しかし怪しげな雲がやってきて、瞬く間に空は暗くなり雨が降り出した。その中で自炊をして温かいスープを飲む。そのうちに雨はものすごい勢いになり、寒く感じるまでになった。

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　カメルーン　急に降り出した雨。少し寒い思いをしながら目的地のルムスキーに向かって走る。

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　カメルーン　雨の中をひたすらペダルを踏んだ。

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　カメルーン　雨降るルムスキーを見て。

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　カメルーン　ようやくルムスキーの近くにやって来た。

　遠くに珍しい奇岩を見ながら、やっとルムスキーという村に到着。私が村を走っていると多くの人々が、
「うちの宿に泊まらないか。」
と誘ってくれる。値は皆安く、１０００ＣＦＡ（２３０円程）くらいだった。私の選んだ宿は決して新しくはないが、落ち着いた感じの気前のいい主人がいたので、ここに泊まる事にする。部屋にはとりあえずはきれいなベッドとシーツがあった。

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　カメルーン　ルムスキーで私が泊まった宿。

　少し村を歩いたが本当に何もない。半径５０メートルの電気の灯るストリートが唯一の繁華街。一件のレストランの周りには人々が集まりベラベラと話したりしている。何もないのに楽しそうな明るいルムスキー村民の姿があった。ここのルムスキーの村には美しい奇岩があり、観光地としても知られている。明日はその岩山を一望できる山の上に小トレッキング。ガイドはティゼ君と言う少年。彼と明朝６時に会う約束をした。
　翌朝９月３０日。朝の６時にと約束したティゼ君だが時間になってもやって来ない。本当に来るのだろうかと少々心配だったが、部屋でコーヒーを飲んでいると１０分ほど遅れてやってきた。見るからに山登りが得意そうな感じで、身軽な服装をして来た。彼がルート案内をしてくれる。ガイド料は２２０円。彼らにとったら決して高くはないが、安くもない値段だ。

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　カメルーン　ティゼ君とルムスキーを見に出かける。

　少し心配していたこの日の天気は朝から曇り。霧があり、余り見晴らしが良くない。ティゼ君の言うには、
「今日は晴れない。」
こういう天気の日は夕刻までルムスキーの景観は望めないと言う。
「なんてこった。せっかく来たのにがっかり。」
しかし曇りでも、もしかしたら晴れるかもしれないと、霧のかかった高い岩山にティゼ君と登り始める事にする。岩をまたいだり、よじ登ったりと意外に大変。３０分程かけやっと登り切った。が岩山からは見えたのは真っ白な風景。何も見えなかった。今にも晴れそうなのだが、やはり晴れない霧。２０分もそこで時間を潰しただろうか。
「降りよう。」
ティゼ君にそう告げ、残念な気持ちで岩山を下ることにした。
「こうも天気に恵まれないのは、きっと日頃の行いと言うやつだ。」
ルムスキーの風景を見る事を諦め、先を急いで南下する事にした。粉末ミルクとコーンフレークなどを腹に入れて出発しようとした。が、外の様子を伺っていると、何だか今にも霧が晴れそうではないか。
「これはもしかしたら・・・。」
と、しばらく待つと、霧はスーっと引けてきた。
「こんな天気ならばもう一度登ってみよう。」
そんな気持ちになってきた。今度はガイドのティゼ君とは別で、一人で岩山に登り始める事にする。ティゼ君と来たときは足の掛ける所やどういう風に登るかを教えてくれたのでスイスイと登れたが、一人だと意外に登り方が難しい。何とか山頂に着いた頃には信じられないくらいに霧が晴れていた。頂上に着いた私は周囲を見渡し、息を飲んだ。
「うわー。」
それは素晴らしいの一言。カメルーンのモニュメントバレーとでも名付けたくなるような絶景が広がっていた。
「カメルーンにもこんな素晴らしい所があったのか。」
そう感心するばかり。すっかり満足し、私は写真を撮りまくった。

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　カメルーン　霧が晴れたルムスキーの眺めは素晴らしかった。